異世界は思ったよりも俺に優しい?(大川雅臣)レビュー


●あらすじ

物語の主人公に憧れる少年・アキトは、ある日突然異世界の公爵令嬢・リゼットの「わたしを助けて」という願いを受け

彼女の召喚魔法に身を任せる。

しかし、召喚された場所は見当違いの魔獣が蔓延る森の中。

なんとか森を抜けたアキトは村人と接触し

リゼットがいる街へ行くには片道一ヶ月はかかるという事実を知る。

アキトは魔獣を狩って路銀を稼ぐことにした。

善き冒険者たちとの出会いが、アキトの運命を変えていく。

かけがえのない仲間達と試練に立ち向かう、ほんのりサバイバル・ファンタジーの第一巻


●名(迷)言達

「レディに会うには身だしなみが大切だ」by【アキトの語り】

「……動いた……と思います」by【ルイーゼ】

「痛みはあるけど動けないほどじゃない」by【アキト】


●みどころ

アキト少年がゆっくりと異世界の生活に馴染んでいく課程がみどころです。

戦闘(狩り?)シーンが多めです。

初めはウサギさんのような獣を捕らえるのも一苦労だったアキトが

異世界で出会った仲間とともに、戦闘経験を重ねるごとに少しずつ成長していきます。

私は一気に読んでしまいましたが各章ごとにそれなりの見せ場があるので、

アキトの成長に合わせて、少しずつ読み進めていくと面白いと思います。


●読んでみての感想

見当はずれな森の中に飛ばされたアキト。

初めは何も出来ません。

異世界での通信友達であるリゼットから聞きかじった情報を頼りに

なんとなく魔法が放てる程度です。

リゼットに会うために手っ取り早くお金を稼ぐため、アキトは冒険者ギルドに所属し、

獣や魔物の部位を売って路銀を得ようとします。

仲間にも恵まれ、狩りになれてくると

強くて稼ぎの良いの魔物に確実に標的を移していきます。

 

みどころの部分で少しずつ読み進めていく事をおすすめしたのは、

本筋ではなく脇道を楽しむ作品

だと思ったからです。

なので、物語の展開や行く末を考察したり、見守るのが好みの方には向かないと思います。

戦闘シーンが多めでストーリーの進行がゆっくりしているからです。

この作品をジャンルに分けると、

戦闘シーンがメインの日常系

です。

 

主人公の目的ははっきりしているし、ブレることはありません。

友人リゼットに会うために戦って路銀を稼ぐ。

この中で自分の成長を感じ、それが小さな喜びにつながり

仲間と分かち合うことで、それが増幅します。

そしてアキトは思います「自分はこの世界で恵まれている人間なのだ」と

その想いが、この作品が掲げているタイトル(テーマ)につながっています。

 

 

もう一つのみどころとしては

”15歳ならではの価値観”

でしょうか(※私だけかもしれません)。

物語は一部を除いてアキト(15歳)の一人称でストーリーが進行します。

彼の語りから浮き彫りになる価値観には妙なリアリティーがあります。

既視感を覚えて悶えている自分に笑えてきます。

「自分が15歳の時って、こんなこと考えてたかもなー」

感覚的な話になりますが、

先人からの受け売りと

それを汲み取った自分自身の哲学がごちゃ交ぜになっているような独特な語り口

15歳という年齢に共通する普遍的な価値観を抑えているような気がします。

個人的にはツボでした。

 

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